ITとお金と何某と

某IT企業社畜が、資産運用と気になったITネタをつぶやきます

企業型確定拠出年金の普及でファイナンス教育がより重要になる時代が来る

 

こんにちは イトカネです

 

最近大手企業を中心に、確定拠出年金の導入が進められています。
より正確に言えば、確定給付年金から確定拠出年金への移行が行われている状況です。

 

他にもiDeCoの名称で「個人型確定拠出年金」の展開も進んでいます。

最近始めたよーという方も多いのではないでしょうか。

 

私の勤めている会社も、私の入社時は「確定給付年金」だったのですが、途中から「確定拠出年金」に切り替わりました。

 

移行の際には、全社員に対して某銀行員による2時間のセミナー、E-Learning教材の配布、社内への相談窓口の整備など比較的手厚いサポートをいただけたのかなと思っています。

 

でも、どれだけ丁寧に説明してもらっても社員自信に自分で学ぶ気がなければ、左耳から入って右耳に抜けていくだけです(笑

 

試しに、去年の4月に入社した新入社員をとっ捕まえて聞いてみました。

 

イトカネ「新入社員研修で、確定拠出年金についてなんか説明うけた?」
新入社員Aくん「カクテイ・・・なんですか?」

 

あ、これだめなやつだ・・・

 

もう一個ダメなところがあります。

社員がどんな商品を運用しているかの割合も見れたのですが、運用比率の7割以上が元本保証で運用されていました。

 

ここで誤解してほしくないのは、元本保証で運用している事自体は問題じゃないです。

 

問題なのは よく分からないからとりあえず元本保証でやっている という人が多いということです。

 

確定拠出年金の普及や、最近話題になっているつみたてNISAは、将来的な大きな変化の兆しになっていると考えています。

 

 

確定拠出年金とは投資である

とてもざっくりした説明なので、詳しくは知りたい方は他の方の記事を参照くださいね。

 

確定拠出年金とは

 税制優遇のついた・60歳まで引き出せない・投資の仕組み です

重要なポイントを点で区切っています。

 

確定拠出年金は投資です。
多くの日本人が毛嫌いしてやまない、あの投資ですよ。

 

ただし普通の投資と違って1つのメリットと1つのデメリットを持っています。

 

メリットは税制優遇があること

デメリットは60歳まで引き出せないこと

 

ここらへんの詳しい説明は省きますね。

 

ここで、認識していただきたいことは一つだけ。

確定拠出年金は、投資であるということです。

 

投資とはお金を使ったゲームである

投資とはなにか、という質問に応えられる方はいますでしょうか?

 

答えはきっと、その人の立場や考え方によって変わるものだと思います。

 

こういう言い方をすると人によっては反発される方もいるかもしれませんが、私は投資はお金を使ったゲームだと思っている人です。

 

お金を原資として、より多くのお金を稼ぐゲームです。

 

ゲームなので、そこにはルールがありますし、勝つための戦略もあります。

だけどそれと同時に運の要素もあったりします。

 

麻雀とかをイメージしてもらえると良いかもしれません。

麻雀には、ルールがあり、戦略もあり、運の要素もあるどれだけ高い点を取れるか?というゲームです。

 

投資も同じです。

投資で高い点を取りたい(お金を増やしたい)と思ったら、ルールを理解して、戦略を立てて、運を味方につけるしかありません。

 

しかし麻雀でそうであるように、正しい戦略を身につけて、試行回数を重ねれば、運の要素を大きく減らすことができます。

 

正しい戦略と試行回数を重ねることのどちらもが大事です。

 

運が絡むゲームの1回勝負では、その道のプロが全くの初心者に負けることは往々にしてあるのですから。

しかし何度も回数を重ねることで、成績には大きな差が出てくるのです。

 

確定拠出年金が投資だとすると何が問題か

ここまでの内容をまとめると以下のとおりです。

  • 確定拠出年金が投資であること
  • 投資はお金を使ったゲームであること
  • 投資では、ルールの理解、正しい戦略、試行回数を重ねることが重要であること

 

以上のことから言えるのは、確定拠出年金をうまく扱うにはルールの理解、正しい戦略、試行回数を重ねることが必要だと言うことです。

 

しかし残念なことに、会社で初めて確定拠出年金という言葉を聞いた人はルールの理解も、正しい戦略も見つけられません。

 

ルールも知らず、戦略も立てていない人がゲームをすれば、言い方は悪いですがカモにされるだけなのは明らかです。

 

しかも追加で残念なことがありました。

 

企業の確定拠出年金では、毎月自動で一定額が積立てられます。

言い換えれば 試行回数を重ねること が強制的に行われている状況になっています。

 

ゲームで、カモが試行回数を重ねれば待っていのは・・・お分かりですね?

 

元本保証が安全だと思っているのは幻想

はじめに私の会社の状況をお話しましたが、ほとんどの社員が元本保証で運用しています。

 

問題なのは元本保証で運用している事ではないです。

彼らが、元本保証で運用するメリットとデメリットを何も理解せずに運用してしまっていることが問題なのです。

 

つまりルールも、戦略も理解せずに投資というゲームに参加している参加者にほかなりません。

 

いやいや、元本保障じゃないと積立てたお金が減っちゃうでしょ?

中にはこのように言う方もいらっしゃいます。

 

きちんとルールと戦略を理解した上で、このように発言されている方も大勢いると思います。

でも大抵の人は 元本保証は元本が減らないので安全だ というなんの根拠もない妄想からこのように考えています。

 

彼らはお金が減ることこそが最大のリスクだと考えているので、一見するとお金が減らない元本保障を盲信しています。

 

・・・

 

個人的には元本が増えないことこそ、大きなリスクであると考えています。

 

なぜなら、日本経済が長期的には成長すること、つまり長期的にはインフレ方向に経済が進んでいくことを考えているからです。

 

例えば、今後の40年の平均インフレ率が1%ならば、今日の100万円は40年後には約68万円の価値しかありません。

 

いやいや、日本経済はいまが最高の状態だ!!

これから長期に渡って、少なくとも自分の寿命までには衰退する流れに違いない、という方は元本保障でいいです。

 

このように考える方は、ルールを理解して、戦略を立てているので全くもって正しい姿だと思います。

 

あるいはすでに定年間近であり、運用できる期間が短い方も元本保障でいいでしょう。

彼らは試行回数を重ねることでができないので、ゲームの立場としては不利なのです。

 

重要なのは、ルールを理解して、戦略を立てて、長期に渡ってゲームに参加し続けることです。

 

日本のファイナンス教育について

ここからは個人的な考えです。

 

確定拠出年金をネタにさんざん周りの同僚をこき下ろして来ましたが、実のところ彼らの理解が及んでいないのは仕方がない事だと思っています。

 

なぜなら、学校・親・友人のいずれでも、誰も彼らにお金や投資について教えてくれなかったからです。

日本人がお金について学ぶには、自分で勉強するしかありません。

 

いままでは、お金について何も知らなくても生きていくことができました。

それは国や会社が「あなたの退職後や老後の面倒を見ますよ〜」と言ってくれていたからです。

 

しかし、悲しいかな。

すでに時代は変わってしまいましたし、いまも刻々と変わりつつあります。

 

過去の日本では当たり前であった、終身雇用を保証してくれる企業はどこにもありません。

国民年金の給付額や給付開始年齢は、改悪の一途を辿っています。

 

これからの日本では、自分のお金の面倒は自分自身で見なくてはいけない時代になっていくはずです。

そのためには、自分でお金について勉強を学ぼうとする意識が必要です。

 

確定拠出年金や、今年の2014年から始まったNISA制度が、最近日本でよく話題に上がるようになってきたことが、その兆しであるように思います。

 

・・・

 

自分でお金の勉強をした方がいいと思う理由がもう一つあります。

 

それは、国や政府のスタンスです。

基本的には国や政府は、国民のファイナンス知識はある程度はあったほうが良いけど、できれば低いほうが良いと思っているはずです。

 

なぜならそのほうが、税金を沢山集められるから。

 

国や政府は、表向きは国民の生活をより良くしたいとか言ってますが、本音のところは国というシステムを維持させることを考えています。

 

国というシステムは巨大です。

巨大なシステムの維持には、膨大なコストがかかるので、そのためにより多くの税金が必要です。

そしてそのコストは膨らむ一方です。

 

なので、仮に国民にファイナンス教育を施すにしても、国にとって都合のよい教育方針になると思います。

 

ご自分の身を守るためにもまずは一歩、お金の勉強をすること意識されることをオススメします。

 

 

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