【NTTグループから】転職した話【Webベンチャーへ】
こんにちは
イトカネです。
ずいぶん前になりますが、新卒で勤めていた会社を辞めて転職をしました。
以前はNTT系列の会社にお世話になっていましたが、いまはWeb系のITベンチャーに勤務しています。
転職して半年以上経ったので、給与、福利厚生、職場の雰囲気などなど、転職によってどう変わったのかをまとめます。
もちろん、良くなった点もあれば、悪くなった所もあります。
最近は特に、転職の話題が多いなぁと感じるので、他の方の参考になれば幸いです。
転職による変わったこと
労働条件
たぶん皆さんが一番気になるであろう給料のことを最初に書いておきます。
転職前が約430万円で、転職後が約650万円です。
上を見るときりがないですが、たぶん20代でITということを考えると、それなりに頂けている環境だったと思います。
そんな中で、転職後の会社でプラスの評価を頂けたことに感謝です。
注意点は「月45時間まではみなし残業」であることで、働けば働くほど時給が下がることになります。
いまのところ、基本は残業をほぼ0に調整できているので、まったく不満はないです。
むしろ時々は労働時間が足りなくてマイナスになるぐらいです(笑
もちろん福利厚生など、給料だけでは比較できないこともありますので、他の条件も見ていきましょう。
福利構成、その他の条件
有給や住宅補助の福利厚生については、前職のほうが優れていました。
さすがはNTTグループ!!
とくに社宅については、家賃を1.7万円に抑えることができていたので、投資資金を確保するのに大変助かりました(笑
退職金制度も重要な要素ですが、20年以上同じ会社に居続けてというレベルなので、とても耐えられませんでした。
対して、新しく会社に入られた方との懇親目的や、チーム内外での交流目的などのランチ代は、2,000円まで補助が出ます。
また、懇親会や打上げなどは全額会社から補助をもらえるのは、とても良い制度だと思います。
NTTグループでは、自分でお金を払って上司のありがたいお話を聞いていました。
そんなクソみたいなものとは雲泥の差です
職場の雰囲気
これについては数字で出すことができないので、私の感覚で語ります。
まず前職ですが、少なくとも自分の周りでは人間的に、とてもできた方が多かったと思います。
なにかミスをしても頭ごなしに怒鳴ったりはせず、反省を生かして次にどうすべきかをを一緒に考えてくれていました。
そしてこれは、新しい職場でも同様で、つくづく自分は運が良いなと思いました。
前職と転職後で異なったのは、仕事に対する意識です。
前職では、あまり仕事をガツガツ頑張ろうという方はおらず、会社を選んだのもNTTという安定性を求めてと公言されてる方も多かったです。
もちろんそうでない、人間的にも技術的にも素晴らしい方もたくさんいました。
一方で、転職後はベンチャー系であることから、とにかくビジネスのスピード感が早いです。
前の会社で1年以上かけてやることを、新しい会社では3ヶ月ぐらいでやるようなイメージです。
もちろんスピードを優先して、犠牲にしていることもありますが、そんなイメージでみなさん仕事をされています。
そしてそんなスピード感が、世の中のIT業界の成長スピードにも、私の肌感覚的にもあっているなと感じています。
この感覚は、人それぞれだし、ストレスなく働きやすいという面では転職前後でそんなに大きくは変わっていません。
ただ、自分の技術者として成長するスピードはずっと早くなっているなと思います。
転職しようと思った理由
たぶん2番目あたりに気になるであろうネタが転職理由だと思います。
これは、本当に色々あります。
すべてを語るととても長くなるので、特に大きなトピックだけ書いていきます。
1. 無駄な研修やタスクが多すぎる
とにかく無駄な作業、研修、手続きが多すぎます。
あくまで一例ですが、以下のようなものです。
無駄作業「電話番」
各部署に固定電話がいくつか設置されていて、配属された新人はその電話をチームの誰かに取り次ぐことを最初のタスクとして割り振られます。
ひどいときには、数分ごとに電話がなります。
エンジニアは、頭の中で設計や作業を進めることも多く、そんなときは一種の集中状態になっています。
が、一度電話が鳴れば頭の中の情報は雲散霧消し、同じ状態に戻るまで暫く掛かるため、まともに作業を進められません。
(IT企業で、そんなことも理解できない人間がいることが信じられませんでした)
また、もし取次先の人が席にいなければ、電話があった旨をメモとしてその人に残さなければなりません。
それだったら最初から社用携帯を配布して、携帯にかけた方が早いですし、無駄がありません。
これほど時間とリソースが無駄なことはありません。
私がやめるときの人事との面談で、電話は撤去したほうが良いと伝えましたが、多分いまも残ったままだと思います。
無駄研修「新卒研修」
約1ヶ月の新卒研修でしたが、いま思い返してみても、何の意味もない研修でした。
あの研修で何がしたかったのか、今考えてもわかりません。
例を上げるなら、グループワークで、疑似プロジェクトの進行を行いました。
人事や外部講師がマネージャやお客様の役を演じるような研修で、基本的にはプロジェクト進行の足を引っ張ったり、わざと理不尽なこと、曖昧なことを言ったりしてました。
完全に予想ですが、新人に自分で考える癖をつけさせるとか、ストレス下でも粘り強く業務に取り組む、みたいな高尚な意図があったのだと思います。
ちなみに研修の意図を聞いたときは、「自分で考えよう」的な回答をされましたw
正直、研修で設定されたようなマネージャがいたらその時点で部署異動か転職を考えるレベルでした。
実際現場に入ってみると、とても人間的にできた方に指導頂けたので良かったですw
現場と乖離した状況下での、プロジェクトの研修に何の意味があるでしょうか。
あれほど無駄な研修は、二度と受けたくありません。。。
ただ悲しいかな、入社2年目以降にもこれほどではないですが、同様の研修が用意されていたのでした(地獄は続く
これ以外にも、以下のような不満がありました。
- 形式的な承認フローが無駄に長い
- PCのログイン時間を元に、勤怠管理を細かくされる
- 社内システムが内製でとても使いづらい
- 飲み会が自腹なうえ、上司の苦労話ばかり聞かされる
と、ストレスを感じることが多かったです。
※ システムの内製化自体は否定しません。しかし、とても使いづらく、社外のサービスを使ったほうが数倍マシだったと思います。
もちろん、すべておいて完璧な会社は存在しません。
そういった無駄な作業、駄目な仕組みがあれば、改善や削減を日々行っていくのが正しい姿だと思います。
が、前の会社では、そういった無駄なことがずっと残っているか、むしろどんどん増えて行ったので、とてもストレスでした。
2. 悪しき評価制度、その名は年功序列
NTTグループは、古き良き大企業なので、年功序列がとても根強く残っています。
仕事でどれだけ成果を出したとしても給料が跳ね上がることはありませんし、逆にどれだけ仕事をしていなくも、給料は年齢とともに上がっていきます。
もちろんその上がり幅は成果によって若干異なるものの、頑張りに伴うほどの有意差にはなりません。
また、給料に影響するための職位がアップする条件に、「一つ前での職位をN年以上経験すること」というまさに年功序列を体現したようなものがあり、働くモチベーションをめちゃくちゃ下げていました。
それぞれの職位ごとに、所属できる人数がおおよそ割り振られており、上の席が空かないうちは昇格できないピラミッド構造を持っています。
加えてグループ会社の宿命で、高い位には上位のNTTグループから人が降りてくるので、元からいる社員の未来は”ほぼ”閉ざされています。
※1 とても優秀な方で、上位まで上がって行った方はいました。
※2 人が降りてこなかったとしても私が上位の行けるほど優秀とは思っていません。ここでは制度としての問題点を記載しています。
実体験として、前の会社では入社してから転職するまでの約3年間給料はほとんど上がっていません。
が、転職後の会社では約半年で年収ベースで50万円以上昇給しています。
辞めるときの人事面談で辞める理由を部長クラスの人に聞かれたときに、給与や評価制度が低いことを答えました。
対する部長の答えは、「IT業界ではウチは高い方」というものです。
今のエンジニア市場の需要や相場を分かっていないことに加え、定年まで同じ会社に居続けることを考えてるんだなと思い、何も言い返せませんでした。
3. エンジニアとしての成長のしづらさ
これは周りの先輩や上司の方を見ていて思ったのですが、年齢を重ねるごとに実際に手を動かしてコードを書く作業が減り、プロジェクトのマネジメントや顧客との調整をする時間が多くなっていました。
特に管理職クラスになると、ほぼほぼコードを書いていませんでした。
断っておくと、プロジェクトのマネジメントはとても重要な仕事であり、そういった仕事をそつなくされている方々はとても尊敬していました。
もちろん、あまりマネジメントが得意でない方もいました(私も苦手ですw)
少なくとも私は、エンジニアとしてコードに関わる時間をずっと持っていたいと思っていましたし、いまもそう思っています。
実際に管理職の方々でも、コードを書きたいと熱烈に言っている方もいましたが、会社の仕組みとして難しそうでした。
これは、前職(古き悪しき日本企業)と現職(ITベンチャー)の大きな違いだと思います。
前職では、社員をゼネラリストとして最終的には管理職になる道を正規ルートとして強制します。
対して現職では、社員それぞれの得意なことや、やりたいことにあった職種を用意していて、その職種でのキャリアがあります。
実際、前職では採用枠が「総合職(SE/SIer)」しかありませんが、現職では、「エンジニア>XXエンジニア」のように細かく分かれています。
そして、プロジェクトのマネジメントは、PM(ProjectManager)という別の職種になっています。
自分のやりたいことに集中できる今の環境は、とても良い環境だと思います。
部長とのキャリア面談で、「マネジメント業務はしばらく興味はなくエンジニアとして成長したい」という意思は伝えたのですが、部長からは、ありがたい昔の苦労話+「やっぱりマネジメントも経験かないとね~」という回答でした。
4. BtoCのプロジェクトをやってみたかった
ネガティブなことを書きすぎたので、最後にいいことを書いてお茶を濁しておきますw
前職はBtoBの会社だったので、顧客はすべてどこかの企業でした。
そのため作るサービスが自分の普段の生活に直結しないことも多いです。
3年ほどBtoBの会社に在籍して、なんとなくBtoCのサービスも作ってみたいなと思い始めていました。
また、前職の最後らへんは機械学習(俗にいうAI)での研究職だったので、もはやサービスすら作っておらず、大学院の研究チックなことをやっていました。
いい加減、機械学習(AI)でのサービス開発もやってみたかったので、そういったことができるベンチャー企業への転職を行いました。
まとめ
結局、転職して良かったのかと問われれば、とても良かったです。
職場の働きやすさ、待遇、エンジニアとしての成長など、すべてにおいて前職を上回っていると思います。
長期的にみて本当に良かったのかは分かりませんが、少なくとも元の会社で苦しみながら働くよりは100倍マシだったと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
こういった点はどうなの?などありましたら、コメント欄や@itokaneまで教えてください。