【資産運用】個別銘柄で勝てない人間がどうしてアクティブ投信で勝てると思うのか
こんにちは イトカネです
最近は日本経済がとても好調ですね。
日経平均株価も直近4日間は下げましたが、それでも年初来と比較すれば+15%と大きく上がっています
だからなのでしょうかね。
こういった記事が湧いてくるのは・・・
記事の内容はとてもシンプルです。
「インデックス投信に勝ってるアクティブ型投信もそれなりにあるし、投資対象として考えてみても良いんじゃない?」
ということです。
日本株投信に関しては、長期の実績で見てもインデックス型より優秀なアクティブ型が意外と多い
過去10年の実績だと、452本のアクティブ型日本株投信のうち、市場平均のTOPIX(東証株価指数)に連動するインデックス型投信を上回ったものが172本ある
アクティブ型はそれぞれ得意な局面、不得意な局面があり、運用担当者の技量にも大きく左右されます。環境の変化や人の入れ替わりによって運用が変わる可能性がある
細かいデータが載っていないので、そのまま鵜呑みにしてよいかは疑問ですが、あえて素直に信じてみましょう。
そうでないと話が進まないので。
記事中で筆者の質問に答えているのは、イデア・ファンド・コンサルティングという個人の資産運用相談のサービスを行っている会社の社長の方でした。
この社長がどういった思いでこの記事にコメントを載せたのかは分からないです。
- 本気で日本株を買うならアクティブ型に一考の価値があると思っている
- 個人でアクティブ型を押したい背景がある
- NIKKEIの記者にアクティブ型についてポジティブな意見を求められた
適当に理由を考えましたが、他にもあるかもしれません。
それでも、個人的にアクティブ型ファンドに投資するつもりはいまのところはないですし、今後もないと思っています。
アクティブ型投信を買う人は大抵負ける
アクティブ型を買う人間は、たぶん2種類存在します。
一人は、貯金がたくさんあり、銀行の言いなりでよく分からずに買っている人
もう一人は、アクティブ型投信によって利益を得ようと思っている人です。
彼らは、どちらも同じ理由でインデックス型より利益を出せないか、あるいは資産がマイナスになります。
一人目の貯金がたくさんある人は、自分が何を購入しているのかを理解していないために負けます。
銀行や雇われFPは投資信託を購入した人ではなく、自分たちがどれだけ儲けられるかを考えて、商品を販売しています。
投資信託購入者が儲けようが、損をしようが全く気にしていません。
つまり、サイコロを振って偶数がでるか、奇数が出るかをゲームをやらせているに過ぎません。
仮に勝率が五分五分だったとしても、手数料と税金の分を損をするだけです。
もう一方で、利益を得ようと思っている人も同じく、何を購入しているのかを理解していません。
正確には、理解したつもりになっています。
どういうことでしょうか?
彼は、アクティブ型とは何かとか、その投資信託がどのように儲けを出そうとしているかだけは、おそらくギリギリ理解しています。
アクティブ型はインデックス(市場平均)とずれた行動をした分だけ得か損を出します。
ずれると言っているのは、例えば金融セクタを多く買う、中小株を多く買う、配当比率の高い企業を多く買うなどがありますね。
行動をずらす手間賃が、アクティブ型の手数料となっているわけです。
彼は、アクティブ型がするずれた行動がどのようなものかを理解して、その投資信託を購入しています(と私は思っています)。
行動をずらしたことで儲けが出るということは、ずらした先(例えば、金融セクタ)が市場を上回って高騰するという予想をしていることでもあります。
もし金融セクタが上がると思っているなら、自分で個別に買えばいいんじゃないの?
自分でインデックス投資信託を購入し、上がると思っている投資行動を行えば、それはアクティブ型投信となんら変わりません。
むしろ手数料分得をします。
俗に言う、コア・サテライト運用です。
ここで、
「いやいや、市場調査とか細かい銘柄選択とかは手間もかかるし、専門家に任せた方がいいでしょ?」
ということもあるかもしれません。
そういった方には、この言葉を送りましょう。
賢明なる投資家は自ら判断する。
自分には分からないから専門家に任せようとそしても、うまくは行かない。相手の能力を評価できないのに、どうして適切な専門家を選ぶことができるのか。
敗者のゲーム 第6版
自分で個別銘柄を判断できないのに、どうして個別銘柄を大量に購入する専門家の優劣を判断できるのでしょうか。
6割負けてるじゃん
これがこの記事一番の突っ込みどころだと思います。
日本株投信はアクティブ型も候補? 4割が平均上回る|マネー研究所|NIKKEI STYLE
そもそもタイトルからして、
日本株投信はアクティブ型も候補? 4割が平均上回る
ということは、6割は負けているということですよね。
仮に互角だったとしても、手数料の差でインデックス型より運用益は落ちることになります。
上回った4割がどの投資信託だったのかを見てみたいです。
目の前に十本のアクティブ型ファンドを用意されて、この内4本が市場平均を上回り、6本が下回ると言われたら、私にはその4本を選ぶ自信はありません。
繰り返しますが、個別銘柄の選択ですら絶対の自信はないのに、個別銘柄を組み合わせたアクティブ型に自信などもてるはずもありません。
「敗者のゲーム」は投資を始める前に、ぜひ読んでおきたい本の一冊ですよね。
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