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【読本】「市場クロガネは稼ぎたい」でお金を稼ぐことの意味を考える

 

こんにちは イトカネです

 

先日購入した「市場クロガネは稼ぎたい」が久々に大当たりの漫画だったので、皆さんに感動を伝えたくなり記事にしました。

 

 

細かい前置きにはなしにして、さっそく語らせてもらいます!

結構内容に突っ込んだ話をするつもりなので、ネタバレ注意ですよ!!

 

 

市場クロガネは、稼ぎたい

この物語の主人公は、タイトルにもなっている「市場クロガネ」です。

↓この人

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「市場クロガネは稼ぎたい」第1巻より

 

 

主人公は、市場財閥の御曹司でいままで何不自由ない生活を送ってきました。

本人も認めるほどに、同年代の誰よりも恵まれた地位にいましたが、ひとつだけ大きな悩みを抱えています。

 

 

それは

 

自分の地位が、他の誰かによって与えらたものであること

 

です。

 

彼の周囲には、いつも自ら努力し、成功した人たちが大勢いました。

しかし、彼自身が成功したといえる成果が何もないことを悩んでいたのです。

 

そこで主人公は、物語の舞台である 学円園学園(がくえんぞのがくえん) に入学を決意します。

学円園学園とは、とある島に作られた

  • 島外の一切の肩書やお金を使用することはできない
  • 学費や生活費はすべて学園の中で生徒が自分で稼がなくてはいけない

というトンデモ学校です。

 

この学校で、自分の力だけで生活し、何かを成し遂げること。

それが主人公の目標であり、この物語の大筋です。

 

さて

 

「島外の一切の肩書やお金を使用することはできない」

と言いましたが、実はお金の持ち込み自体が校則で禁止されています。

 

校則に違反するとどうなるか?

 

 

こうなります。

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「市場クロガネは稼ぎたい」第1巻より

 

 

島外から持ち込んだお金はその場で没収され、同額分は罰金として科せられてしまいます。

クレイジーですねぇ(笑)

 

 

しかし主人公の場合はこれだけでは終わらなかった・・・

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 「市場クロガネは稼ぎたい」第1巻より

 

まさかのマイナス1億学円スタート

あ、学円というのが島の中だけで使える共通通貨です。

 

序盤は、「市場クロガネ借金物語」です。

 

市場クロガネは、部活を作りたい

さて、主人公は借金返済のため、部活を作ることにします。

なんで部活?と思いましたよね。

実はこの学園での部活というのは、世間一般の学校の部活とは意味が違います。

 

学園の生徒の様々な要望をかなえて、それに対する報酬を得るための活動、すなわち企業活動に近いです。

服飾部は服を作り販売し、料理部は料理を提供し、新聞部は生徒に情報を発信し、報酬を得ます。

まさに、学園内に閉じたひとつの企業なのです。

 

さらにさらに、部活の上場の仕組みがあります。

これは、世間一般の企業の上場と全く同じもので、上場した部活は株式を発行し、生徒は発行された株を自由に売買することができるのです。

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 「市場クロガネは稼ぎたい」第1巻より

 

ここらへんで個人的に超ワクワクしてました。

 

ちなみに主人公どんな部活を作ったかは、読まれる方のお楽しみ(その1)ということで。

 

市場クロガネは、説得したい

さて物語の途中、主人公はある少女の生徒会に勧誘するお願いを引き受けます。

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「市場クロガネは稼ぎたい」第2巻より

 

彼女、イアラ・ミタルの祖父は(おそらく有名な)投資家でした。

 

イアラはその祖父に投資のノウハウを教わり、祖父から引き継いだ100万円を2年間で1億円に増やしたことで、「投資の妖精」と呼ばれるようになりました。

 

 

ちなみに彼女の祖父のモデルは、たぶんウォーレン・バフェット氏です(笑)

「まともな企業を素晴らしい安値で買おうとするよりも、素晴らしい企業をまともな価格で買うほうがいい」

 

 ウォーレン・バフェット

イアラ・ミタルという名前にも、モデルがあるのかと調べてみましたが、わかりませんでした。

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 「市場クロガネは稼ぎたい」第2巻より

 

主人公は、イアラの投資や財務の知識をもとに、生徒会の会計役員として活動してほしいと望んでいました。

 

しかしとある理由から、イアラは投資の実力を隠し、投資以外でお金を稼ぐことを目指して入学していたのでした。

 

イアラの抱える問題とはなにか。

主人公がいかにして、その問題を解決するか。

読まれる方のお楽しみ(その2)ということで。

 

市場クロガネは、上場したい

さて、順調に稼ぎを増やしていく主人公の部活ですが、競合他社すなわちライバルが現れます。

あ、部活なので、競合他部ですね!

 

相手は、主人公の部活より圧倒的に資金を持っている部活でした。

そしてその資金力にあかせて、強引に主人公の部活をつぶしにかかります。

他にもいくつもの部活を潰しているようで、作中では「あらし屋」という異名を付けられています。

経営でも、ギャンブルでも資金力があるやつが最強なんですよね。

 

 

さて、主人公は資金調達の手段として、自身の部活を上場させようと試みます。

上場して株式を発行することで、多くの生徒から資金を集めることができるからです。

これは、現実の企業でも同じだと思います。

 

部活の上場のためには、財務状況などいくつか条件があるようですが、最も困難なのは上場審査会で審査員に承認を貰うという条件でした。

リアルがどうなのかは知りませんよ?

 

審査員の名前は「ベン・グレアム」

かのベンジャミン・グレアム氏がモデルのようですね。

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 「市場クロガネは稼ぎたい」第4巻より

 

審査員ベンは、主人公の部活を絶賛します。

  • 財務資料に大きな問題は見つからない勢いのある部活
  • 数か月で「あらし屋」に狙われる規模となるのは驚異的な成長速度
  • 主人公自身、今まで見てきた部長の中で上位1%に入る逸材

これは上場決まったな!という流れからの

 

 

 

だが断る

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 「市場クロガネは稼ぎたい」第巻より

 

なぜ部活の上場が認められないのか。

逆にいかにして、上場を認めさせるのか。

 

読まれる方のお楽しみ(その3)ということにしておきます。

 

市場クロガネは、助けたい

 物語の最終章では、生徒会の選挙戦が行われます。

といっても、主人公が立候補するわけじゃあないです。

 

説明してませんでしたが、↓1巻の表紙に出ている彼女が、生徒会長 朝政ハガネです。

彼女は、主人公の立ち上げた部活の最初の出資者(立ち上げ資金を出した人)であり、かつ主人公が学園で最も才能を認めた人物です。

 

そんな彼女の生徒会長としての地位が脅かされます。

 

この学園における生徒会長とは、いうなれば一国の首相のような立場にあります。

学園が今後どのように成長していくかの指針を決めたり、学園の生徒がより稼ぐことができる仕組みを考えたりします。

 

彼女の指針はただ一つ

 

成果に値する報酬を

 

でした。

言葉通り、成果を出した人が正当に評価される学園を目指すということです。

 

彼女が生徒会長となったとき、学園では個人の努力や成果が評価されず、ただ年齢を重ねた人だけが高い報酬を受け取っていました。

どこかで聞いたような話ですね(笑)

 

彼女が生徒会長になったことで、個人が正しく評価される舞台が作られ、学園に活気が戻り、経済が上向きとなりました。

が、そのままめでたしめでたしとはいきません。

 

ひとつだけ問題があったのです。

それは、頑張っても成果が出せなかった人は貧しいままだったということです。

そんなの当たり前だとバッサリ切ることができるのは、たぶん成功した人だけなのでしょうね。

一度貧しい立場になってしまった人が這いあがるには、とても大変な努力が必要だということです。

 

富める人がますます富み、そうでない人は指をくわえて見ているだけ。

これっていまの日本でも、もちろん世界のどこでも言えることなのではないでしょうか。

 

そんな貧しく、這いあがれない人たちを利用され、朝政生徒会長は解任させられてしまいます

 

そして解任要求後に、新たに生徒会長となった相手は、貧困生徒救済のために「ベーシックインカム制度」導入しました!

 

 

楽しくて書きすぎてしまいましたが、このへんで終わりにしておこうと思います。

残りの部分は、読まれる方のお楽しみ(その4~)ということで。

 

この後の展開としては、

  • 「成果に値する報酬」という考えは本当に正しいのか?
  • 貧困者が這い上がれないのは、本人の責任でしかないのか?
  • ベーシックインカムは、貧困者として有効なのか?
  • 相手が「ベーシックインカム」を導入した本当の目的はなんなのか?

などなど、経済に関して本当にいろいろと考えさせられることがある漫画でした。

 

 

全13巻で適度にまとまっているので、興味があればご覧になってみることをオススメします。

 

ご意見、ご感想があればコメントよりお願いいたします。